インプラントに関する専門用語集
オッセオインテグレーション
結合組織を介在することなくチタンと骨が直接結合する方式は、骨を表すラテン語のオス(os)と結合を表す英語のインテグレーション(integration)が組み合わされ、オッセオインテグレーション(osseointegration)と呼ばれています。
オッセオインテグレーションはすぐにおこるのではなく、厳密には埋入後3~4週でおこり、相対的な骨との接触率が高くなるのは3ヵ月後であると言われています。
埋入後数ヵ月は機能的な力がインプラントに加わらないようにする必要があります。
そのためインプラント(根の部分)を骨に埋入後、歯肉で被覆してオッセオインテグレーションがおきるまでの治癒期間を設けます(上顎で5~6ヵ月、下顎で3~4ヵ月)。
現代のインプラントはこのタイプか、チタンの表面に特殊な処理をしたもので、 オッセオインテグレーテッド・インプラントと呼ばれています。
オッセオインテグレーテッド・インプラントの5年以上の長期的な成功率は、上顎で81%、下顎で91%といわれています。
グラフト(骨移植)
グラフト(骨移植)とは、歯槽骨の高さや幅が足りない場合、患者さん本人の別の部位から取ってきた骨を歯槽骨にもってくる方法です。
患者さん本人の骨を使うのは、拒否反応の危険がなく、骨どうしの接着が良好に行える安全な方法であるからです。
骨をもってくる部位としては、オトガイ部と呼ばれる下顎の前部が多く、骨を薄く割って取り、その骨を歯槽骨に付着させるか、骨を顆粒状にして歯槽骨上に盛り上げ、GBRと併用する方法が採られます。
GBR(骨再生誘導療法)
GBR(Guided Bone Regeneration=骨再生誘導療法)とは、インプラントを行うにあたり、骨の幅や高さがない時に、骨幅を適切な状態にするため歯槽骨の周りに特殊な布を巻き、骨を再生し歯槽骨を太くする方法です。
この特殊な布はGTAMといって、登山用のレインウェアや人工血管などに用いられるゴアッテクスと同じもので、非常に優れた防水・透湿性を持つ素材です。
抜歯した後にインプラントを埋入する場合に適用されるGBRは、抜歯してできた穴にインプラントを入れるのですが、通常は穴の方が大きすぎてしまうため、インプラントを埋入した後、GTAMで覆って穴をふさぎます。
一度切開した歯肉は縫合し、半年ほどの時間を経てから再び切開すると、穴とインプラントとの隙間には骨が再生されています。
サイナス・リフト
上顎の骨のすぐ上には、上顎洞(サイナス)という穴があります。
この上顎洞のため、上顎の骨は下顎と違ってかなり薄いのが特徴です。
そのため、上顎にインプラントを挿入するには、下顎よりも骨が薄いため制限を受けやすいといえます。
人によっては、上顎の骨に十分な厚さがないことがあるために、この部分の骨の量を増やす必要があります。
サイナス・リフトは、このように上顎の骨の厚さがインプラント埋入には短いときに、上顎洞内に造骨の場を求めるケースに使用する方法です。
具体的には、上顎洞の粘膜(シュナイダー膜)を上顎洞の底から剥離して持ち上げ、それによってできた隙間に自家骨や骨補填剤を移植することにより上顎洞の底の部分の位置を上げ、
インプラントを埋入できるだけの骨の厚みを確保する施術法です。
ソケット・リフト
ソケット・リフトは、サイナス・リフトと同様に上顎に適用される造骨法です。
ソケット・リフトの施術は、サイナス・リフトとは異なり、上顎洞を露出させず歯槽骨を破折させるとともに、上顎洞の底部の膜(シュナイダー膜)の弾力を利用して行います。
具体的には、上顎の歯肉を切開して歯槽骨を露出させ、上顎洞の底部の骨を専用の器具(オステオトーム)槌打して、現れたシュナイダー膜を上顎洞内に押し上げるようにして、膜を剥離していきます。
剥離したシュナイダー膜と上顎洞底部の間には隙間ができるので、この隙間に自家骨または人工骨を注射器で填入した後、インプラントを埋め、初期固定を確認した後、粘膜(歯肉)を縫合します。
サイナス・リフトに比べると、上顎洞を露出させないため、時間的、肉体的にも負担の少ないな治療法のため、比較多く用いられる施術だといえます。



